睡眠時無呼吸

CPAP治療中は、治療の状況を継続的に管理するため、ごく短時間で結構ですが原則として月に1回のオンライン診療が必要です。

これは、CPAP療法が健康保険の適用を受けるための要件として、保険診療上、原則毎月1回診療することになっているためです。オンライン診療時には、CPAP装置の使用状況の確認（使用時間、無呼吸の残り具合など）、体調の変化、マスクのフィッティング確認などを行います。

CPAP療法の効果を最大限に発揮し、健康保険の適用を継続するためには、毎晩（就寝時）の使用が推奨されます。CPAPは、装着時間帯にのみ無呼吸を改善する対症療法です。不規則な使用では、日中の眠気や集中力低下、高血圧などの合併症のリスクが再び高まりますので、注意が必要です。

CPAP療法を導入した直後や、使用を継続する中で不快感や苦しさを感じることは珍しくありません。以下の対応策がありますので、必ず医療機器業者に相談してください。

・マスクのフィッティング調整：マスクのサイズや締め付けが合っていないと、空気漏れや顔面の痛み、圧迫感につながります。適切なサイズや種類のマスクへ変更、または微調整で改善が可能です。

・設定圧力の調整：治療に使っている空気の圧力が高すぎると、息苦しさを感じることがあります。医療機器メーカーとの相談や医師の判断により、圧力を下げたり、睡眠中の呼吸に合わせて自動で圧力を調整する機能（オートCPAP）に切り替えたりすることが可能です。

・加湿機能付き機器の利用：鼻や喉の乾燥、または空気の冷たさで不快感を感じる場合は、CPAP装置に加湿器（ヒューミディファイア）を追加することで改善できます。

・導入時の慣らし期間：治療開始後しばらくは、装置に慣れるための期間が必要です。無理のない範囲で少しずつ使用時間を延ばせるよう、医師と相談しながら進めていきましょう。

睡眠時無呼吸症候群（SAS）は、原因や重症度によって「完治」の可能性が異なります。

・CPAP療法：CPAP療法は、睡眠中の気道閉塞を防ぐための「対症療法」であり、病気そのものを治すもの（根治療法）ではありません。マスクを外せば無呼吸は再発するため、自己判断で治療を中断するのはとても危険です。

 ★完治が期待できるケース

・肥満の解消や生活習慣の改善：肥満が原因である場合、大幅な減量によって気道周辺の脂肪が減り、SASが完治したり、軽症化してCPAPが不要になったりする場合があります。

 ・外科的治療：扁桃腺の肥大など、気道の閉塞原因が明確な場合は、手術によって完治が期待できることがあります。

まずは医師の診断を受け、ご自身のSASの原因と重症度を理解した上で、生活習慣の改善とCPAP療法を並行して進めることが大切です。