どうする?コロナとインフル同時流行で1日75万人の発熱予測。オンライン診療のメリット、デメリット

どうする?コロナとインフル同時流行で1日75万人の発熱予測。オンライン診療のメリット、デメリット

新型コロナウイルスが流行してから3年を迎えようとしている近冬、発熱患者が75万人になるとも予測されています。もし新型コロナウイルスに当てはまる症状が出てしまった場合は発熱外来を受診することになりますが、乳幼児・高齢者・基礎疾患のある方を除いてオンライン診療も推奨されるようになりました。(※)

今回は、コロナ禍におけるオンライン診療のメリット・デメリットを解説します。インフルエンザも流行しやすい時期だからこそ、多様な受診の形態を探っていきましょう。

(※参考:新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえたオンライン診療について|厚生労働省)

目次

オンライン診療のメリット

早速、オンライン診療のメリットを解説します。なぜオンライン診療が推奨されているのか理解するためにも、目を通してみましょう。

通院に割く時間・労力を削減できる

オンライン診療は自宅で手軽に受診できることが最大の強みであり、通院に割く時間・労力を削減できます。

つらい症状に悩まされているとき、車を運転したり公共交通機関を利用したりして医療機関まで出向くのは体力を消耗します。場合によっては家族に送迎してもらったり費用をかけてタクシーを呼んだりする必要があり、負担に感じる方も多いでしょう。

また、院内での待ち時間や通院時間が想像以上にかかり、精神的にも疲れてしまう方は少なくありません。オンライン診療の場合、対応時間内であればいつでもどこからでも受診できます。寝たままなど楽な姿勢で受診することもできるので、無理に体を動かす必要もないのです。

院内感染のリスクを防げる

オンライン診療であれば、院内感染のリスクを防げます。

昨今は医療機関の待合室でソーシャルディスタンスを確保できるよう工夫されているものの、新型コロナウイルスやインフルエンザの流行に伴い患者数が増えた場合、徹底できるとは限りません。体調の悪い方が集まる場でもあり、院内感染を不安に感じる方もいるでしょう。

よく「病院で風邪をもらってきてしまった」という言い方がされますが、同じようなことが起きる可能性があるのです。また、「自分が人に移してしまうかもしれない」「電車やタクシーを使っていいかわからない」など他の心配も出てきます。

パーソナルスペースである自室で受けられるオンライン診療は、院内感染予防の効果も発揮します。

全国どこからでも受診できる

オンライン診療であれば、全国どこからでも受診できます。

発熱外来が少ない地方・離島に住む方でも受診でき、医療格差の是正に貢献します。遠方に住んでいる名医を指名したり、地元では見かけない診療科にかかったりできるかもしれません。

「家の近くに発熱外来がない」「発熱外来はあるがいつも予約でいっぱいでなかなか受診できなさそう」という方は、オンライン診療を検討してみましょう。

オンライン診療のデメリット

オンライン診療のデメリット

反対に、オンライン診療にはデメリットもあるので注意が必要です。下記で代表的なデメリットを解説するので、確認してみましょう。

処置・検査ができない

オンライン診療はあくまでもオンライン環境で実施するため、直接的な処置・検査ができません。

例えば、採血・点滴・触診・血圧測定・酸素濃度測定・PCR検査・レントゲンなど、直接体に触れる必要がある項目が一切できないのがデメリットです。カメラを通して視診を試みることはできますが、カメラの画質・部屋の明るさ・角度など細かな調整が効かないので難易度が上がります。そのため、処置・検査が必要な疾患や急性症状の診察には向きません。

軽い症状・生活習慣病などの継続治療・病態が安定している花粉症などの治療向きの方法であることを理解し、無理せず対面診療も検討する必要があります。

重症化リスクの高い人への利用を推奨できない

オンライン診療では処置・検査ができないため、重症化リスクの高い人への利用は推奨できません。

具体的には、高齢者・基礎疾患がある方・妊産婦・乳幼児などが挙げられます。上記に該当する方は対面診療を優先し、細かな聞き取りや処置・検査をした方がよいでしょう。

反対に急性症状のない方や症状が軽度の方がオンライン診療を検討し、重症化リスクの高い方が早期に対面診療できるよう工夫することが重要です。

全員にオンライン診療が最適とは限らないことを理解し、使い分けることが大切なのです。

診察できる症状や処方薬が限られる可能性がある

オンライン診療では、処方できる薬の種類が限られる可能性があります。

例えば、向精神薬・抗うつ剤・睡眠薬・抗不安薬・抗認知症薬・免疫抑制剤などが挙げられます。特に初診の場合は難しいと判断されることがほとんどなので、あらかじめ知っておきましょう。

一見不便に感じるかもしれませんが、転売予防・虚偽申告による濫用の予防・安全管理を徹底するために欠かせないことです。また、薬局の在庫次第では薬をすぐに受け取れないケースもあるので要注意です。

オンライン診療を受ける流れ

オンライン診療を受ける流れ

最後に、オンライン診療を受ける流れを解説します。今後導入する医療機関・サービスは拡大していくと予想されているので、初めての方もおよそのイメージを掴んでおきましょう。

1.パソコンやスマートフォンから診療予約

まずは、パソコンやスマートフォンから診療予約を取ります。オンライン予約が取れる場合は、空き日程のなかから都合のいい日時を選択しましょう。

ここまではオンライン予約に対応しているクリニックの予約と変わりません。電話予約のみに対応している場合は、診療時間内に電話で問い合わせをおこないます。

2.事前に問診票を入力

診療時間までに、問診票を入力します。

問診票の内容は医療機関により異なりますが、およそ下記のような内容であることが多いです。

  • 氏名・年齢・性別・住所などの基本プロフィール
  • 保険証の記号・番号
  • 症状(内容・発症時期・経過など)
  • 既往歴
  • 服用中の薬の有無
  • アレルギーの有無
  • 妊娠・授乳の有無
  • その他心配事・質問項目など

診療をスムーズに進行するためにも、漏れのないよう記入しましょう。また、クレジットカードなどオンライン決済ツールを登録して診療費を支払う準備もしておきます。

3.診療

予約した日時になり次第、オンライン通話をつないで診療がスタートします。

待ち時間がないので、自宅などゆっくりできる場所で待機しておきましょう。医師の質問に順次回答したり質問したりするだけなので、特別に用意すべきものはありません。

4.お薬の受け取り

医師の判断に応じて処方箋が出るので、薬を受け取ります。

受け取り方は、「配送」もしくは「近くの薬局で受け取る」を指定できるのが一般的です。

配送であれば家の外に出ることなく薬を手に入れられるので、ゆっくり養生したい方や家を空けるのが困難な方におすすめです。近くの薬局で受け取る場合、スピーディーに受け取れるのですぐに服薬を開始できます。

まとめ

新型コロナウイルス感染者数が気になる昨今ですが、冬はインフルエンザなどの他の疾病も流行するので注意が必要です。

重篤な症状がない場合、院内感染を防ぐためにもオンライン診療がひとつの選択肢に加わっていくでしょう。

メリット・デメリットを理解したうえで活用し、養生できる時間を確保するのがポイントです。

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