コロナ第8波とインフル同時流行に備えて:解熱鎮痛薬は事前に処方してもらえるのか?

コロナ第8波とインフル同時流行に備えて:解熱鎮痛薬は事前に処方してもらえるのか?

新型コロナウイルスの流行第8波とインフルエンザの同時流行が懸念される今冬、今は健康状態が良好でも、万が一の罹患に備えて準備しておくことが望まれます。特に解熱鎮痛薬などがあれば、辛い症状を抑えられるだけでなく精神的な安心にもつながるので準備しておきましょう。

解熱鎮痛薬は、事前に処方してもらえる可能性があります。まずはかかりつけ医に相談し、対応できるか相談してみましょう。本記事では、解熱鎮痛薬の事前処方など「万が一への備え」ついて解説します。

目次

コロナやインフルエンザに備えて準備しておきたいもの

まずは、コロナやインフルエンザの流行に備えて準備しておきたいものを解説します。自宅を確認し、下記の不足があれば補充しておきましょう。

新型コロナウイルス抗原検査キット

手軽に新型コロナウイルスへの感染可能性をチェックできる、抗原検査キットを家族分用意しておきましょう。

近年はドラッグストアやネット通販でも購入できるようになっており、誰でも手軽に使えます。市区町村によっては濃厚接触者を対象に無料配布しているケースもあるので、お住まいの情報を確認しておくのもおすすめです。

なお、抗原検査キットを活用するときは「体外診断用医薬品」と記載されているものを使いましょう。「体外診断用医薬品」は厚生労働省が承認した医薬品であり、性能が確認されています。

反対に「研究用」と記載されている一部の市販品は性能が確認されていないので、チェックしてから購入することをおすすめします。

解熱鎮痛薬および常備薬

コロナウイルスやインフルエンザに罹患すると発熱する可能性が高いことから、あらかじめ解熱鎮痛薬を常備しておく方法もあります。

また、かかりつけ医が発熱外来に対応していないケースに備え、常備薬を少し多めに確保しておくのも有効です。次回かかりつけ医に行く機会があれば、少し余裕を持った処方ができないか相談してみましょう。

また、市販されているロキソニン等を購入しておくこともできるので、普段飲み慣れている解熱鎮痛薬があれば入手しておきましょう。

体温計

発熱の有無を確認したり経過をチェックしたりするため、体温計は必需品になりつつあります。

コロナ流行当初は在庫が不足した時期もありましたが、今はドラッグストアや薬局などで手に入るようになりました。なお、体温計は脇や咥内で計測するタイプから額・耳で計測する非接触型のタイプまで幅広く存在します。

家族だけが使うのであれば精度や使いやすさを重視して選定し、いつでも取り出せる場所に保管しておくのが理想です。

衛生・清掃用品

衛生用品・清掃用品などを整え、同居家族へ移さないよう配慮することも大切です。具体的には、下記のようなアイテムを揃えておきましょう。

  • アルコールなど手指消毒剤
  • マスク
  • ゴミ袋
  • ゴム手袋
  • ハンドソープ
  • トイレットペーパー
  • ティッシュペーパー
  • キッチンペーパー
  • 洗濯洗剤・食器用洗剤
  • 生理用品・おむつ

また、お皿を洗う手間を省くため紙皿・割り箸を用意するなどの手法も有効です。一人暮らしの場合、安静にすることを第一に考えて少し多めの肌着を用意するなど、家事を減らす工夫をしておきましょう。

食料・生活必需品

外出が制限されて食べ物に困ることがないよう、食料・生活必需品を買い置くのも効果的です。下記のうち、自宅に不足しているものがないかチェックしてみましょう。

  • レトルト食品
  • カップラーメン・インスタントラーメン
  • 乾麺(うどん・そば・パスタなど)
  • 缶詰
  • 冷凍食品
  • チルド食品
  • 飲料水・経口補水液
  • 常温保管できて日持ちのする菓子類
  • 調味料
  • 電池・バッテリー類
  • (乳幼児がいる場合)粉ミルク・パック離乳食など
  • (高齢者がいる場合)パック介護食など

また、食欲がないときに備えてゼリーやアイスクリームを備えておくのもよいでしょう。レトルトのお粥など体調不良時にも食べやすいかどうかを視点に、食料品を選ぶことも大切です。

解熱鎮痛薬を事前処方してもらうのもアリ!メリットは?

解熱鎮痛薬を事前処方してもらうのもアリ!メリットは?

解熱鎮痛薬は、医師によって事前処方してくれる可能性があります。まずはかかりつけ医に相談し、可否を聞いておきましょう。下記では、解熱鎮痛薬を事前処方してもらうメリットについて解説します。

体調が悪いときに出かける必要がない

体調が悪いとき、解熱鎮痛薬をもらいに行くため医療機関に出向くのは非常に身体的負担が大きいものです。

発熱・寒気・吐き気などの症状が出ている場合、長時間歩いたり自転車・車の運転をしたりするのが不安に感じる方も多いでしょう。解熱鎮痛薬をあらかじめ処方してもらっておけば、緊急の場合を除き出かける必要がなくなります。

「とりあえず薬を飲んで安静にする」「やっぱり診察してもらいたいので出かける」など柔軟な対応ができるようになるので、備えあれば憂いなしと言えるでしょう。

症状が出てすぐ薬を服用できる

あらかじめ解熱鎮痛薬を処方してもらっていれば、いざ症状が出てから医療機関・薬局などで長い待ち時間を過ごす必要がありません。

症状が出てすぐ薬を服用できるので、つらい状態が続く時間を短縮できるのもメリットです。薬が効いているうちに職場や家族に連絡したり、ネットスーパーを使って食べ物や生活必需品を手配したりすることもできるでしょう。

症状は無理に我慢せず、適切な範囲で薬に頼って緩和していくことも大切です。

一時的な在庫不足を心配する必要がない

今後爆発的な感染が広がったとき、一時的に在庫が不足する可能性も否定できません。

2022年夏にはアセトアミノフェン(カロナール)の需要が急増していることから、買い込みを控えるよう厚生労働省から通達が出る事態となりました。(※)

使用に制限がかかったり一切の在庫がなくなったりする事態には発展していないものの、いざ自分が罹患すると「薬が不足しないか?」「ほしいときにいつでも手に入るとは限らないのでは…」と不安に感じてしまうかもしれません。

1週間程度を乗り切れる最低限の量だけ事前処方してもらい、在庫不足に備えておく方法も検討してよいでしょう。

(※参考:アセトアミノフェン製剤の安定供給について)

準備をしておくことが精神的な安心につながる

解熱鎮痛薬に限らず、事前に準備しておくことが精神的な安心につながることは多いです。

特に、一人暮らしで買い出しや緊急時の対応を気軽に頼める人が近所にいない場合や、高齢者・乳幼児・重症化リスクの高い人と同居している場合は、あらかじめ罹患したときのことをシミュレーションしておいた方がよいでしょう。

いざ発熱してから対策するのは負担が大きいので、備えられることだけでも備えておくのがおすすめです。

まとめ

解熱鎮痛薬は、コロナやインフルエンザに罹患したときの頼もしい味方となります。事前処方してもらうことができれば体調が悪いときに外出したり在庫不足に悩んだりすることもなく、安静を第一に考えやすくなるでしょう。

しかし、事前処方についてどの程度の日数が適切かは医師の判断により異なります。まずは不安な気持ちを正直にかかりつけ医へ伝え、相談してみることが大切です。くれぐれも大量の溜め込みなどは控えましょう。

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